オウト!/竜門勇気
 

気持ちいいことの
代償に死んじまった
真っ赤な蛇たちが
僕んちの前に並んでる

朝、目を覚まして
そんなもん見ちまったら
やあ、どうする?
僕は走った列の最後尾にいる
間抜け野郎はどんな顔してる?

流れてく彼らの横で
いろんな声を聞いた
「ここは寒いよ」「一人ぼっちは少しだけワクワクする」
「今日は誰殺した?」「爪伸びたね」
この行列にいる真っ赤な蛇
甘く緩やかな登り坂に
水滴をこぼしたような重さで
流れていく
彼らの横で僕は
僕は不規則に
流れていく

いつまでも続く行列に
頭は冷たくなってく
ただそれを続けていく
凍りついた思考を抱いて
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