春の霊/朝焼彩茜色
 


 春ひと回り ぐおんぐおんと胸に降りて来る
きっと世界中の人がいなくなって
私 一人ぼっちになったとしても
 四季の小枝から息吹を唸らせて 生きていける
 
 群青から降りて来た 淡い風の螺旋を 桜
 その染めから私の胸へ入る 紅くどくんどくん鳴る
血となり肉となり魂が生きる 生きていれば魂が癒える

 四季が春が桜が 不動を振舞う 声が確実に降りて来ている
 四季が今 春が 恩寵をずしんずしんと画面を見えない速さに乗せて
 
伝えて来る 背中を合掌の手で押して

 群青の奥の魂が歌う場所から 伝えに来ている
 
 四季が故郷 
 春は大人
 桜は無邪気

 故郷はかみさま
 大人は知ってる人
 無邪気は星の子供

歌が聴こえる 世界中でひとりぼっちになったとしても
私は生きていける
四季の力 その励まし 血となり肉となり 魂を癒す
   
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