満足できない/ホロウ・シカエルボク
 
偽物のイマジンが街を闊歩している
俺はガイガーカウンターを海馬に埋め込んで
徹底的に感染を拒否する
ヒステリックな世間の声
真剣さこそが真実だと
信じて疑いもしなかったやつら

パリコレのバックステージで起きた
主催者暗殺のニュース
犯人の手際が鮮やか過ぎて
裁かれてもヒーローだった
印象はすべてを支配する
他人の脳味噌に滑り込んだものの勝ちさ

石畳の街路にレオス・カラックスの亡霊
年代物の軽自動車を裏返しにするのさ
板金工が呪いの言葉を吐く
曇り空ばかりの春の日の午後

まったく呆れるぜ
あいつらまだ歌ってる
たとえ世界が滅びたとしても
ワールド・ト
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