粉机/竜門勇気
粉机はわたしの生涯において最も哀れで独善的な師であり唯一の子でありました。
告白しますが、わたしは故意ではないにせよ人を一人殺しております。
新聞では事故となされておりますが、その方を殺したのはわたしであります。
話がそれてしまいました、申し訳ありません。
粉机は、わたしの師でありますからその出会いを述べましょう。
ある日のわたしは半ばまで膝に浸かる水路を歩いていました。わたしはそういった人間であるということ以上にその意味はありません。
濁った水が澄んでいる場所に足を踏み入れて、水路に流れる水がそれを押し流していくさまが大変面白く感じていたのです。
季節は夏を過ぎ、秋の気配は濃く
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