娘へ/万願寺
 
いに話すからきらい。おまえらみんなみんな汚いよ。汚い手を使って、ずるっこをして、自分の価値みたいなもの、手に入れた気になっているだけなのに、価値があるみたいな顔をして、きもちがわるいよ。そういうのわかるでしょ?あなたならわかるとわたしは知っているんです。そのくらいのことわかるから、いつか絶対に気づいてよね。あなたは加害者であること。あなたが被害を申告した瞬間から加害者になったこと。いいですか。これは憎しみの詩です。愛してるんです。なんでそんなこともわからないの。あなたよりわたしのほうが傷ついているの、こんな簡単なこと、たとえばうるう年の3.11くらいには思い出してくれてもいいんじゃない?汚いおこないをしているあなたへ。恋をしているあなたへ。あなたの恋は、私の命の削れた先に、やっと光っていると、知らなくていいよ。怒っています。知らなくていいよ。知らないでいて。ずーっと厚顔無恥でいて。被害者面の加害者でいてね。わたしはその事象に耐えることだけが、わたしを救うと信じていますから。
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