小休止/葉leaf
仕事で疲れ果てて休みを取った日、君は仕事に出かけ、そのまま遠くの病院に行き実家に泊まってくる予定だ。僕は仕事からも君からも離れて、独身の頃のようにワープロソフトを開いている。人生は端的に切ない。そこには絶望しかない。これは僕たちの世代特有の「さとり」なのかもしれないが、そんなことを久しぶりに思い出している。僕たちの生活は豊かな彩りに満ちていて、人生の切なさも絶望も感じている隙を与えなかった。人生は様々な起伏に富んでいて、そこでは常に君の存在が日々異なる音楽を奏でていた。君の存在は僕の人生の単線的な流れを複線化させたのだった。人生は今やとても複雑で形容しがたく、希望も絶望も表裏一体となり入り混じっている。二人で生きる人生について語るには僕はまだまだ思慮が足りない。ただ、人生はもはや僕の中で閉じたものではなく、そこにはたくさんの展望が出たり入ったりしている。君は他者「ではない」。他者以外の何者かだ。僕は小休止の雨の日にそんなことを考えている。
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