羊たちの夜/
むぎのようこ
つきあかりに
しろい骨をならべた
おし黙っている
伐りきりと
張りつめた鋼の向こう側で
黒鍵がひびく
弔うことも
ながれるように
仕舞って血はあおく
冷めたまま、ほほを伝う
ただ
景色になった
まばたきを裂いて
降りしきる
雨が春をまねいて
埋もれた
あとの
花ばかりながめて
ほねを喰む
けものになって
野にはなつ
言葉は
ここに置く
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