comfort sea/むぎのようこ
みたされた気持ちで
穏やかに凪いだ
うみのつめたさを
身、ひとつで裂いた
くらい海面に
ちりちりと遠い
工場の
あかりが散っていって
いつの間にか
ひたひたと素足に
まとわりつく
髪のさきをしたたった
みずが泣くように
割れ
すなに解けた
こころつもりを
計って
それはみな器用に
ほどけて
しまうからうつくしい
ものはいらなくて
瞬きしながら
何度も
うまれてしまっても
とがめない
漂白された
まなざしも朝には
失せて
みな、ほうりだす
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