ほどけないことばの結びの中で/かんな
この冬に
するすると
ほどけてゆくことばを
つむぎ合わせることを
わたしが
わたしとして母に伝えるのは
愛が
愛のふりをして
また愛のようなかたちをして
そして
愛としてのことばをつむぐこと
生きて
母は母として生きて
時に苦しみの中で死のうとすることを
わたしもずるずると
子どもとして苦しみの中で生きたことを
生きて
どうか生きて
わたしはただ母の
母のしあわせを願うことしかできずにいる
やはり子どもで
わたしは
生きていて愛が
愛のかたちをしていなくとも
生きつづけることばの
ほどけずに残ってゆく結びの中で
誰がそれを疑うのか
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