真冬の花火/服部 剛
バックドロップや
ドロップキックや
ウェスタンラリアットを
次々と繰り出し
舞台という名のリングを
縦横無尽に駆けめぐる
詩人のあなた
その心根は繊細で
どこまでも熱い導火線で
とてもしなやかな筋肉そのもの
フランクな笑顔の裏に
人知れぬドラマを宿しているから
そりゃあ楽じゃない時もあったろう
そんな幾多の場面を越えて
あなたは越してゆく、西へ
日々の旅路の延長線の――新たな季節へ
かけがえのないパートナーと共に
無邪気な息子を肩に乗せて
未知なる明日の階段をのぼりゆく
今夜はそんなあなたを皆で囲み
盃を交わし合い
言葉の花束を贈ろう
ああ… 頬の火照るころ
目を閉じると
まぶたに広がる夜空
ひゅぅ〜〜〜
藍色の世界に向かう火の玉で
満開の花が咲くでしょう
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