静寂という名の暴力に支配される凶暴な冬は嫌いではない/草野大悟2
 
たちは永遠にこの場所にとどまったままだ。行かなければ。 歩いてわずか三分の川沿いの場所に秋は横たわっていた。黄金色の実りを惜しげもなく晒して、大きく股を開いて。股間からは、干し草の匂いが流れていた。俺は、思わず顔を背けた。あられもないその姿態を、俺は望みはしなかった。慎ましやかで、奥ゆかしい実態であってほしい、といつも思っていた。
 俺の気持ちをわかっているくせに、秋は得意気に姿態を広げ、広々とした平面を振りまいている。俺が、他人に、絶対に見せたくはない秘所を、しかも、俺の面前で晒すことなど、到底受け入れることはできない。絶対に…できない。
 決断は早かった。首を絞めればよい。
 カタカタカ
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