クリスマスのラブソング/st
 
12月になると
聴きたくなる曲がある

僕だけでなく
誰もが聴きたくなるのだろう

街のアーケードを歩くと
必ずといってよいほど

聞こえてくる
この時期だけの名曲

山下達郎の
きっと君は来ない 一人きりのクリスマスイブ----

稲垣潤一 の
クリスマスキャロルがながれる頃には------

せつなく淡いラブソングが

深い雪に閉ざされ
吹雪舞いうずまく

遠い初恋の
ワームホールの
扉を開ける


冬休みの
スキー場の民宿で

アルバイトをしていた
あの人に一目ぼれ

友達の紹介で
つきあい始めて

ぼた雪が降るなか

豪雪地帯にある家へ
2キロも歩いて
遊びに行った

都会育ちの僕が
ちよっと驚いた

今となっては
楽しい思い出

その後文通を3年くらい
つづけて

とってもきれいな字を書く
手紙のやりとりが
好きな人だった

クリスマスの
ラブソングが終わる頃

遠い初恋の
ワームホールも

深い雪のなかで

静かに閉じてゆく




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