とにかく帰る/竜門勇気
何もかもが一歩だけのとこで壊れた
もう忘れましょう、私には忘れることしか
実行可能性のある選択肢がない
森のある町 隙間を縫う国道
どこにでもあるようなとある街
家と社会を繋ぐ道
森のある町 反復するガードレール
接触の手前で立たれた回路は
空間を裂いてつながる
空想の中で客人を招く
奴らがする白熱の論争
結果が決まる前に
電極はショートする
かいぼりの一団も
困惑の顔を隠すことなく
ああ、なんて宇宙の広さ!
困難にラバーカップが有効であればよかったのに
バカどもめ。
詰まったフィルタ、閉じた力学
仕事が終わって帰る道のなか
俺は何者でもない
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