マカロニ・インフィニティ/ブルース瀬戸内
無限大をうそぶいて
悦に入るメビウスを
体現してやるんです
隣の別のマカロニは
やっぱり中に潜って
口をとんがらせては
電子タバコを真似て
シュポっと言います
グラタンが溢れます
とんがらせた分だけ
グラタンが溢れます
僕は身を捩らせては
無限大の振りをして
両穴からグラタンを
シュポっと出します
グラタンが溢れます
総量は変わりません
客が残して帰ったら
怒りのグラタンから
説教されそうなので
先に表に身を出して
ずっと出てた顔して
決め込むつもりです
最初から出てますよ
そんな顔を決め込み
佇んでみるわけです
あ、客が残しました
僕は即座に飛び出し
思い切りよく飛んで
皿をも飛び出します
虹の軌道を描きます
それでも身を捩って
くるりと小さく回り
無限大の軌道にして
鮮やかに着地します
何か始まりそうです
何かが始まる夜です
激怒りのグラタンが
上から覗いていても
今は気がつきません
今のところ幸せです
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