君のいない休日の午後/さち
 
毎日見慣れた部屋の中で
いつもと少し 
違う私になって見ようなんて
時間も いつもとは
少し違う角度で流れて


早いうちに片付けも終えて
それも気が向いたところだけ


テレビは騒がしいから
気になるニュースも
初めから知らなければ 無いと同じ事
音楽を流してみる
私の視線は内側を向き始め


週刊誌の荒い印刷が
心のどこかを
ザリザリとこするような気がして
クッションの下に 追いやってみる
私の視線は内側を向き始め


一人で使うにはゆったり過ぎるソファに
寝転んで久しぶりに読む純愛小説
ミントティーの湯気を思い切り吸い込んだら


なぜか
ゆっくりした幸せは 寂しさに少し似ていて


それは
悲しくはないけれど 微笑んだら少し泣けて


妙にせつなく満ち足りてしまった
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