りんご王女の側近/la_feminite_nue(死に巫女)
 
風景画のように澄んだ風景のなかに、ゆれて。
りんご王女が顔を赤くするから、すこしうつむき──
 
ぼくは窓のそとを王女が眺めるままに、
王女の髪と景色とを見ていたんだ。
 
水彩画のように淡い風景のなかに、ゆれて。
ただよい、王女はやわらかに口をひらいた。
 
アレグレットからアダージョ、
アダージョからモデラートへ、王女の歌ははずむ。
 
たゆたう時間のなかに、ぼくはゆれて、
りんご王女がふしあわせを見ないように、祈っていた。
 
ぼくはたゆたう。王女とともに。
口ずさむ、彼女に合わせることはできないけれど、
 
こころのなかで、秘めやかな伴奏をする。
風景
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