空飛ぶ詩人/ああああ
道に座って詩を売りながら、飛行機に近づくチャンスを待ってる。
宮下公園の木には下着やストッキングが引っかかっていた、お祭りのかざりみたいに。大統領専用機が離陸すると、路上生活者やカラスがジェットエンジンの空気吸入口に吸い込まれることがあって、吸い込まれた人は、上空で寒さと疲れで意識を失って落下する。だから東京では、まわりに高い建物がなくても、空から人が振ってくることが珍しくない。この現象をファフロツキーズという。公園では対策係が車で巡回して、散弾銃の空砲や爆竹で路上生活者を追っ払っている。車に搭載したスピーカーから黒板をひっかくような音を流すこともある。訓練された犬を使って、飛行機とは反
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