鯨の枕/
カマキリ
破かれていくカーテンの
あの優しい日当たりが好きで
部屋の真ん中で目を閉じている
深い深い水の中
うっすらと張り付くように
白い目をしたばけものの声が
レースの間から漏れている
水たまりに石を投げて
その波紋を楽しむように
口が開かなくなったぼくらは
頼りない膜を貼りながら
呼吸をする夢を見続けている
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