裸で岩に坐る/服部 剛
 
旅先で飲み過ぎて
あぶないので三十分以上
間を
空けて、酔い覚めのからだで
いそいそと…露天風呂へ

(水を飲んだり、最善を尽くしたのだ)

閉館近い露天風呂は
すっかり掃けて
人っ子ひとりなく
丁度いい岩が ひとつ

腰を下ろしたり
身を沈めたり
――今だかつてない…湯加減です

まったく何が幸いするか
知れたものじゃない

友よ 明日の余白のシナリオを
予想すること勿(なか)れ  





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