supreme/やまうちあつし
 
私の心に一匹の
ジョン・コルトレーンが棲みついて
ジャズを聴かないときも
詩を書かないときも
離れることがない
雲がわくわく湧く
体の外にはみ出して
空に入道雲が
その中に腕を突っ込んで
取り出した一篇の詩がこれだ
そのせいで両腕は折れてしまった
最後から二番目の詩が難しい
最後から二行目がまとまらない
最後から二番目の文字がゲシュタルト崩壊
腕が折れてもペンは折れない
これは高速道路で書いた詩
全宇宙の
生まれることのない子どもたち
私の後ろにつけ

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