コーヒーだけなんです/la_feminite_nue(死に巫女)
 
界。
互いに殺し合う戦場のような世界があり、
いつしか私もそれに巻き込まれている。
「生きるためには仕方がないなら、
 私が死ぬのであればいっしょに死にませんか?」
そんな思いを飲み下しつつ、
なされるがままになされている。
……本当かしら、それは私?
カフェに煙草を吸いに行く。
拘束室のような喫煙室のなかに。
私はタブレットを持っているわけでもなく、
手持無沙汰に時間を過ごす。
「コーヒーだけですか?
 それでは私たちは生きられないのです」
「コーヒーだけなんです。
 そうでなければ私は生きられないから」
落下するのです。彼らも私も。
バブル経済がはじけたように
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