どうでもいい。/かのこ
猫が飼い主の帰りを待っている
私の知らない飼い主の
雨が降って
洗濯物が濡れる
だらり、と泣いた
身体が重い
着古した地味な服を着よう
興味の無いテレビ番組を
とりあえず、つけておこう
なんとなく苦しいから
贅沢なんかじゃないけれど
甘くて軽いスナックを食べよう
今日は日曜日
どうでもいいけど、日曜日
春の匂いと、雨が降る
聞こえないふりをして
全部、聞こえないふりをして
誰の帰りを待ってるの
誰の何の
なんとなく苦しい時
ほんの些細なことで泣きたくなる時
贅沢じゃない贅沢をたった一人で楽しもう
そうして全部を許すことが、今まだ私にはできるはずだ
誰の何の言葉も欲しがってはいない
どうでもいい
泣いたらいい
一人でいい
いちばん優しいのは
いちばん優しいのは・・・
ううん、なんでもいい。どうでもいいの
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