カウントスタッフ/末下りょう
 
する沖を優雅に泳ぐ
果てしないいきものがターンすると
波のはじまりの音が冷えた耳におくれて届き
夏の終わりの仮説はそのつど立てなおされる

波際ではしゃぐ
砂まみれのチビたちの
濡れた指のすき間が潮風を孕み
生まれるころ溶けたはずの水掻きがシャボン玉のように形成されて
幼い瞳のなかへと海が還っていく
羽を休める渡り鳥のような
まぶたにそっと仕舞われて

カチカチ まだすこしかたい数字が 波飛沫に濡れたカウントマシーンの
ささやかな記録に消え入りながら? 永遠を呼んでいる


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