夏の終わりの幻想/
丘白月
いつでも最善を尽くし
いつでもこれで終わりだと
そう信じて枯れ葉がいつどこに
落ちるのかさえ分かった気がした
いつ夏の精が明日から秋だと
涼しい顔をして言っても
私はおどろかない
辿りつけない時間の影は逃げて
妖精がこの鋏で影を切取ってと
手渡すけれど
錆びているから
磨くことから始めないといけない
僕の時間を全部使って
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