石のおんな/すいせい
 


いしを抱いて夜を
ひたす 
そして そめられていく
呼吸を ほのかに名付けて
あなたはうまれたのでした
ちぎれるように 風をおこして


春だとか夏だとか
うんざりするような
軽さに 季語は座り
あせじみた羽衣を
植物の枝に かけて
わすれ     て   しまいましたか
      くくられた いのちの
            そのじせいを


磁石をおとして
めぐるつむじ
うちがわにある みずの本流を
愛せるのでしょうか
にぎりこまない ちいさなて
矮小なむしのような 
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