月の下、ふたつの孤独/ホロウ・シカエルボク
 
てくれるような凄いものを見つけてみたくなっていたのだ。適当な長さの木の枝を拾って、前方を払いながら少しずつ進んだ。主の居なくなった蜘蛛の巣や、折れた枝や落葉が積もりたいだけ積もった路面を、小さなマグライトひとつで歩くのは骨だった。けれど、不思議なほど引き返す気にはならなかった。はっきりとは言えないが、もともとは二車線程度の舗装道らしかった。テーマパークだろうか、と俺は予想した。それにしては山奥過ぎる気もしたけれど―果たしてそれは予想通りで、半時間も歩くとありがちな夢の国へのゲートが見えた。失笑を呼ぶような貧相なキャラクターが巨大な看板に描かれて俺を見降ろしていた。十年近くこの土地に住んでいたけれど
[次のページ]
戻る   Point(0)