登り来る機関車の力/立見春香
 
ドーナツを食べて
函館へ
とあるドーナツ屋さんは
くだらない公約を
守ってくれた

なんてラッキーな星の下の二人なんだ
そんな幸せもの二人は
そんな安易な旅で
糸くずみたいな些細ないさかいで
破滅的な大げんか

焼き尽くすみたいな悪口と
突き刺すような真実の毒を
浴びせかけられるだけ
浴びせかける夜

心の闇に飲まれてしまう限界を超え
全てが燃やされたあとの灰みたいに
真っ白になる

夜景なんて
そんなときでも潤む光が綺麗で
五稜郭で私の方が
やっぱり泣かされるんだ

ええいいわ
忘れてもいいわ
さっぱりきっぱり別れてあげる

心の中で機
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