ゆう君/末下りょう
 
蝉が鳴いたしだいに

夏のみすぼらしさを飾って ぬけ殻をくわえてくるってゆう君
小汚い綴れ織りや押し花を蒐集して

あしの爪をのばしっぱなしなのに
やっぱしさみしいのかしらんって
だれかさん よんでそう
そういいたいとゆうきもちのきみと一緒にってゆう君は
ジバンシィの紙袋んなかにまるまって眠る

ゆう君。
夏のトマトみたいに好きだよ
ぼくの仕事はブレーキをかけることだけど 腕でやることはできないんだ
戻る   Point(2)