rain/fruit/むぎのようこ
 


みのりがことり
と音をたて
みちた風をゆらしもする
衣擦れの
すきまを縫うひかりの
糸をまぶたで
つむいではながれる
影の
あわさに怯えたり

する

くもり、
軟化する夜の
融けてみずになった
ところから
甘い
ほたるの明滅
たかい
たてものの上から
みおろす
飽和した影たちの
おどるひかり、

星のくだけた
音がする
ひとみの、その
まんなかで
朝が
うまれても
また、ねむっても
みずに
なるだけの
ときに
浮かびながら
あまえてもただ、降り
そそぐ、みのり











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