L' eau/すいせい
 
ひとしずくの
音が染み込む
わたしの一番薄いところ
宴よりも華やかに
纏う羽衣のかおり


たとえば
堕ちていく人工衛星の軽さ
軋み
燃え尽きる
事が季節へのたむけと
そうわらった


白いはが
吃音をうむ
それが木立の
間をすべる風だとしても
届かない
鳩の翼は濡れてしまった
宿る屋根もなく


乳鉢になかに
癒しをほどく
さまざまな他人がすり潰され
それを 泡沫(うたかた)と
つたなく歌う
記憶にうつしとられる
水面を球体に沈め
薄いひふの罅に刻む
揮発しがちな日々として


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