イファラーナブル/竜門勇気
 

君は自身の悲劇を語るとき
この街の特性について語る
それは検証可能性がない話で

例えば、この河原で並ぶ恋人たちが
こんなふうに均等に間を空けて座っているのか
それはこの街が腐ったひね者でが集まった村だからさ
村?歴史に残ってないだけでここはかつてそんな場所だったのさ
だから彼らはお互いは傷つけ合うことを知っているんだ
ただ近づくだけで

気持ちのいい昼間に歩くときには
そんなことを聞きながらいるのが心地よかったりもした
昼間にはどこでも行ける
昔行けなかった岡ビルへ足を向けた
とても古いビルだがそこに入っている店に並ぶものは新しい
インド料理屋もあるんだ

[次のページ]
戻る   Point(1)