センテンスレス アポカリプス/竜門勇気
 

真夏に会えなかった人々
覚えてるかい
ここは本屋で
ほらそこは食堂だった
これは覚えてるかな
そこの角。大きな道が見えるだろ
あれを右に曲がってすぐに
小さな脇道があるんだ
表札がない家と昔化粧品店だっただろう跡のあるドアのあいだに
昔会えなかった人々

君は誰も愛さなかったと僕に伝える
それを裏付けるように
彼らに会えない

匂いでなんか思い出すことってあるよな

あるね

それが心地よかったことがあるかい

ないね

それから僕らは友達
君があれは愛だったかもと伝える
その言葉を匂うこともない味覚だと思う
それが証明書さ
僕らは友達であ
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