キメラの隣人/竜門勇気
 

にこやかに交わし合う
流通する愛撫
性欲の使い方が
誰とも分け合えない

薄墨色の手紙
何度か届いていた
僕がそれを忘れる
その仕草を共有しよう

誰がだれでもどうでもいい
空を見ながら鼻を鳴らす
きみは僕とだれかの合いの子
キメラの隣人

爪は黒く
牙は翡翠
亀の甲に乗り
踝がさかさに反ってる
あんまりにも
優しい逆上
キメラの隣人
キメラの隣人

休日の過ごし方を知っている
そうでない日のやり方も分かっている
窓ハルカの描く線の美しさもわかっている
誰がどうでもだれでもいい
不順は純粋
不純は散逸
美しいものがなにかわかってれば
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