まるで愛のように/ハァモニィベル
 



黝(くろず)んだ緑色の風景が錆(さ)びてゆく
流れる光の寂しい故郷(ふるさと)の未来は
今だけ微(かす)かにほんのりと盛り上がって
けれども
断えず推移していく

賑(にぎ)やかな星の暗い森林(モリ)に眠り続ける
差し伸べた小枝の戯れにも似た仕草(しぐさ)は
何の影響も持たない意識の記憶となって
けれども
眺めては過ぎ去っていく

 いつも
 そうなっていく現実を
けれども
そうなっていく現実を

 嗤(わら)う

烈(はげ)しく意味を忍ぶ言葉のように
熟知の叶(かな)わぬ地図を広げては、また閉じて

まるで愛のように

網に指を絡め
首に針金を巻きつけ
球の上で数億の眼が睨(にら)み合う

まるで愛のように






戻る   Point(5)