ことば・うた・ひと/ハァモニィベル
 

表情という「ことば」の 固有の複雑さ というのは

空のように標準語でありながら

流れる無限の 雲模様に訛った 文学に見える。


曖昧という顎ヒゲを剃って
鉄塔のように嘲笑ふ


それは、軽蔑でも愚弄でもなく

ただの燃える串焼き

それは、憤怒でもない


傘もささずに旅立った

「人」は―、きょうも その

発した言葉の軒先に雨宿りしている。






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