終末にはほど遠い平日の/
 

  生地は祖母の姪の息子の嫁が拐っていきましたし
  持ち手は、確か二年が過ぎる頃に二度焼きされたかしら
  傘の主はゼロ円を蓄えるのが趣味で
  静かに眠る彼を二度目に焼いた方の寺にお布施は……
兎にも角にも
黒から白までの純真を銀行員のように捲りあげ
  一方通行にご協力願いますってね
  かあさまはいつも日本語を左手で捲るけれど
  どうせ、すぐに戻ってくるのだから
  ナビに従うマーカーの用意をお願いします
最初に目があった無彩色の少女に紅をさす
そんな慈しみを以て
切り裂いてよ
背表紙を
盛大に
  裂ける程の厚みがあったならば!
  そう本文よりも大きくならないよう注意して書き添えて
  トタンに滑る蜜を煮詰めて作ったメランコリーを噛み締める午後三時
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