名刺/為平 澪
 
えば都合のいい人の
礼儀が私の指を傷つける

私は名刺を持たない
宛もない言葉だけを頼りにしている奴に
どんな社名や配置部署が似合ったあろう

選ばれた良品の上質紙たちと
有名デザイナーのレイアウト

東京4号から大阪9号の圧縮サイズの中で
生息する君たちの暗号が前進して
ちいさな草花を踏みつけて行く

酔っぱらった社会人の
スマホで作れるお手軽保障
その紙切れの上で
人が浮いたり 沈んだり


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