島/田中恭平
 
 パソコンのWordで
 小さな島を創造する
 そこでは女が宗教で
 太陽は死んでいる


今日も労働が大変だった
でもついに週末になったぞ
ホットコーヒーを啜り
文字をポチポチ書く
書いては消し
書いては消しを
くりかえし
段々
孤独になってゆく
逃避に似て
この落下


 島ではパンをわかちあう
 でも実は全然腹は減らないので
 パンなど必要ないのであった
 なのにパンが流通している
 パンを食べることは嗜好なのだった


ギターのうるさい音楽を聞いて
外界をシャットアウト
部屋の物をもっと減らしたい
窓を開けるな
のんきな春の趣がするから


 島はだんだん痩せていることに
 住民は気づいている
 それでも誰も平穏としているのは
 彼らが涅槃の境地にあるからだ



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