副葬のためのノート/春日線香
 
ラスの向こうに人影が蹲っていて、ほとんど頭を床につけて丸くなっている。部屋の中からは薄ぼんやりとして男か女かさえよくわからないが、少なくともまだ生きている存在ではあるようだ。しかし、それは、いつからそこにいたのだろうか。



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毛玉を吐いて死んでしまった。そこに長いこと残されていたがやがて誰かが植え込みに蹴り込んだようで、いつのまにか草に隠れて見えなくなった。煙草の吸殻や砕けた鉢植えがごちゃごちゃと混ざるあたり。ビニール袋が飛んできてしばらく引っかかっていた。



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目に見えないものが入ってきて
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