青空(改稿)/新染因循
青空が好きです。
青空。
あれは欠けてしまった心だ、
心の欠けらなのだ、
重力のようにわたしを惹き、
幼子の瞳のように影を呑むのだ、
どこにも行けないという幻肢痛。
慰めがたい痛みを慰めようと
冷ややかな雑踏のなかに
わたしは身をうずめた。
黒々としたアスファルトのうえ、
鈍い玉虫色の水溜りをまたぎ、
あらゆる影から滲みでた激流が
奔る、奔る。
青空はやがて海になる。
亡霊にもなれなかったものたちの
忘れてしまったものたちが響く
海になる。
かつて青空の欠けらは流星群となって
夜空を切りさいて水平線になった。
星の瓶を
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