ミスターKの悲劇は岩より重い/TAT
はやがてささやかな数のファンを獲得し
孤高であるとか
前衛的であるとか
大衆的な受けよりは質を重んじる紳士淑女に受け入れられて
そうして気付けば無駄に観る目が肥えまくって
今はもうあの頃のように気軽に何かを観て楽しむことが出来なくなっている自分がいる
俺はただ面白いマンガが読みたい
美しい絵を観たい
笑えるネタが観たい
素晴らしい詩を読みたいだけなのに
今はもうそれはどこにも無い
その先にはもう後戻りのできない何もない荒野が
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