呪縛/小川麻由美
私は一体何をしていたのだろうか
座っていた場所は同じだというのに
浴びせられた絵画たちは こそっり私のどこかに
なにがしかの 謎めいた なにと言ったらいいのか
理解不能のもの
理解不能のこと
理解不能であるならば… 放っておく
絵画たちは 私に残していった
色 色 色
要素はたくさんある そのはず
やたらめったら 色たちが
私の頭に働きかける
そのうっとうしさといえば
1分以内で眠りについてしまいたいくらいだ
1分以上起きているゆえの絵画の呪縛
呪縛の苦々しさ
呪縛の重量
呪縛が仰々しいならば… 放っておく
1分以上起きているゆえの重み
重みの無神経さ
重みの重力
重みに耐えられないならば… 放っておく
放っておけば しわ寄せが自分に来る
しわ寄せが来たら…放っておけ
からからと そんな事を言えないのは
重々承知
頭をよぎることさえ許されないのであろうか?
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