水道/中原 那由多
 
その水道からは愛は溢れるのだ

しかしお前は
蛇口の捻り方を知らないが為に
グラスはただ薄汚れていくばかりである

誰にも教わることもなく
恥と傲慢の隙間から手を伸ばし
ようやく蛇口は回ったが
遂に三度目の冬が訪れて

蛇口は凍ってしまっていたのであった
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