ミカヅキ/秋葉竹
 
血液ハ、作レナイモノナノデス
人ノ血ハ人ノ手デハ、作レナイモノナノデス

めまいのする空を
ミカヅキの匂いのする方向へ
光の視線が突き進むなら
かまわないけれど幻想は死に絶えるのです

血液ハ、作レナイモノナノデス
乾イタ女ハ、化粧ニスガルモノナノデス

忘れ去られた脳髄の七色が
虹に遮られた宇宙の野辺に煌めくとき
ふたつには分かてない想い出があるなら
そのスクリーンは浪漫的でさえあるのです

血液ハ、作レナイモノナノデス
デスガ、綺麗ニ、コシタコトハナイノデス

からっぽの脳の死角は虚ろな声で
絶対感動を練習する詩人の海馬なのでしょうか
胸へ掬い上げられ
[次のページ]
戻る   Point(6)