駅前/ミナト 螢
 
毎日の両腕が
囲んでいる
空気や鞄の
大きさを見つめ

比べる相手も
いない掌の
隙間に挟んだ
ポケットティッシュが
歩き出す僕の
宇宙になった

冷たいビニールが
安っぽくて
それでも丈夫だ

雨にも負けずに
ポケットの中で
懐いてきたぜ
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