或る午後の変容/
服部 剛
私の中に
永い間眠っている
マグマ
涼しい顔してほんとうは
体内を巡る真紅の血が
いつも渦巻いている
そろそろ目を開く季節だ
あの空、葉脈、
一本の水平線を
( あなたの黒い瞳を )
みつめよう
再び
風は頬を撫でてゆく
目を閉じる
体内に宿る
マグマの疼(うず)きに
耳を澄ます
やがて私の存在は
渦を巻き、加速する
――一陣の風になる
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