那由多/中原 那由多
 
遥か彼方、青い幻
煌めけば
欠伸の最果てからそれは聞こえる

カタン、コトン、カタン、コトン

喧騒は刹那
追懐は日記をつけるかのように
瞑想は鋏
夜のしじまのキリトリ線をめがけて

二、四、零、零、零
二、四、零、零、零
二、四、零、零、零
二、四、零、零、零

パラダイムシフトの襲来


微熱の枕元
赤い風船が膨らんだ
嬉しくなって飛び跳ねた
壊れるほどに抱き締めようと、その前に
罰、とばかりに破裂した
その衝撃は青春であるかのように容赦なく
さよならさえも届かぬほどに
遠くへと、遠くへと突き飛ばす

保健室で見とれた背中
それが蜃気楼
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