ペンフレンド/やまうちあつし
私には友だちが
100人くらいいるけれど
ペンだけで繋がっているのは
あなたひとり
あなたが何処にいるのか
私は知らない
都会か
田舎か
火の国か
水の都か
浜辺を散歩しているか
山林で深呼吸しているか
高級ホテルの一室でドンペリを開けているか
古びた病院の一室で点滴を受けているか
何処の誰でも構いはしない
男でも女でも
どちらでもなくても
老人でも赤ちゃんでも
被害者でも加害者でも
字を見ればわかる
あなたの生活が
あなたの年輪が
あなたの微笑みが
あなたのため息が
字を見れば
あなたは何色の
ペンを持っているだろう
それだけに関心がある
私のペンは銀色をしている
銀色は孤独の色だという
私には友だちが100人いるという
電話もしない
会いにもいかない
ペンだけで
伝えたいことがある
それでしか
伝えられないことが
この世にはある
言葉は
オオルリに
どうか
元気で
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