日記に巣くう虫/
 
白樺が銀の葉をギラギラ揺するから、
どこか浮わついていたのだろう、
まっさらな、日記帳を汚してしまった。
湿っぽい土のにじむ、
その先、
桃の木は裏表紙に根付くだろうか、
それとも更に次の表紙をも貫くだろうか。
まだ綴られない、いくつかの日常を夢み、
憐れむ。この厚ぼったく歪んだ畝の下、
どこかのページに美味しそうな、白い、
幼虫がうじゃうじゃ蠢いているのだ。
いつかの明日を貪りながら。
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