土曜日のハーフムーン/あおいみつる
 
綺麗な言葉を並べることができない
穏やかさや 潤い 愛を語りたいのに

瞬間の歯車の中で繰り広がれる物語
悲しみや 苦しみ 
ささやかな幸せさえも 零れ落ちてしまう

通過点の 点のような人生も暮れてゆき
南の空の端にハーフムーンが浮かび
俺は あんぐりと口をあけ見上げている

身も心も闇に溶け 俺は幽霊のよう
死んでいるのか 生きているのか
分からない 感覚だけはある 
自分の存在も分らぬまま
シュールに息を繰り返す


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